4人組エレクトロ・ミュージック・ユニットの約6年ぶりとなる新作。アーリー電子音楽を思わせるオーガニックな電子音と、清涼感のあるアコースティック・ギター、さらに鈴木真由美のヴォーカルが重なって、リリカルで透明感にあふれた世界を築いている。鈴木のポエトリー・リーディングと即興的な電子音のセッションというべき曲や、くすんだノイズとささやき系ヴォイスが奇妙な造形美を描く曲など、実験精神を随所に感じさせるところがおもしろい。雰囲気モノではない、エレクトロニカの今日的な進化形といえそうな力作(小山守)
(oscillator “夜音 [yoru-oto]“) CD Journal [2009年10月号]